ユーザ企業の戸惑い
これまでに数社のシステム調達の支援を行ってまいりましたが、各ベンダーより示される見積り費用の 『差』 について、皆さん驚かれるようです。提示した提案依頼書(RFP)に基づき、各ベンダーより提案書が提示されるのですが、そこに記載されている見積額を比較したとき、
何故こんなにも金額差があるの ????
その差に驚きを隠せないようです。
ましてや、安い見積りを出してきたベンダーであっても、提案依頼書(RFP)で提示した要件は全て満たしているとなると、もう理解不能のようです。
でも、これがシステム開発の実態ではないでしょうか。
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実例として、
『A社では』
一番安いベンダー 4,700万円 / 一番高いベンダー 2億円
その差は 1億5,300万円
『B社では』
一番安いベンダー 6,900万円 / 一番高いベンダー 2億2,000万円
その差は 1億5,100万円
◇◇
確かにこれだけの差があると、何で? と思いますよね。
提案内容が提案依頼書(RFP)の要求事項を網羅していないのであれば論外ですが、全てを満たしているとなると、
★ベンダーの単価の違い
同じ工数が掛かるとしたら、単価の高いほうが当然費用は高くなりますね。★システム開発基盤の違い
要求事項を網羅したシステムを、効率的に開発できる資産(パッケージなど)があれば、当然費用に影響が出ますね。当然ながら、一からシステムを開発しなければならない会社は、自ずと工数も掛かるので、費用は高くなりますね。
他にも事情はあるでしょうが、その都度状況は違いますので、一概に 『こうだから』 と言い切れないのが実情です。
ただ、システム開発費を低く抑えて、運用サポートなどで回収しようと目論んでいる場合もあります。
そこで、まず確認するのが
『一時費用(システム開発費)』 と
『月次費用(保守などのランニング費用)』
5年レンジで費用を積み上げてみると、総額で逆転なんて事もあったりします。
システム開発費が安いからといって安易に発注先を決定すると、後でしっぺ返しを食らう事もあるので要注意です。
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ベンダー共通の見積り算定基準があるわけでもなく、各社とも自社の基準に基づいて見積り算定するわけですから、見積額に差が出るのは当たり前です。
また、提案するシステムをどの様に構築するかによっても、掛かる工数が変わりますので、見積額に差が出るのは当たり前です。
結局は、ユーザ企業は提示された提案書および見積額を多面的に読み取り、どう判断するかしかないでしょう。
ちなみに、A社とB社が最終的にどのベンダーに決めたかというと、一番安いベンダーではなく、一番適切なシステムを提案してくれたベンダーでした。
『適切』 なベンダーを選定するためには、ユーザ企業が 『提案依頼段階でどれだけシッカリと事前検討したか』 に依ると思います。
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