システム設計書

システム設計書


システム開発における設計書。

名前の付け方、内容の記述の仕方、実はこれ、ベンダーによってまちまちなんです。

名前の付け方に関して言えば、外部設計書/内部設計書というベンダーもあれば、基本設計書/詳細設計書というベンダーもあります。

場合によっては、それらを一纏めにして設計書というベンダーもあります。

内容に関して言えば、ユーザが理解しやすいように要件定義(業務の視点)からブレイクダウンしていき、システムの内部処理までを関連付けした設計書もあれば、コンピュータ/プログラムの視点を重視した設計書もあります。

対象のシステムにより記述内容が異なるので、一概にどちらが良いとは言えませんが、困るのは内容が充実していない設計書です。

ユーザの中にシステム開発に精通した人がいれば内容の不足をチェックできるでしょうが、精通した人がいないユーザはベンダーから示された設計書が全て。

でも、ちょっとまってください。

システムの検証をするときに、何を根拠に検証するんでしょうか。

そこに書かれていないことが納品されたシステムに実装されていなくても、何の証拠もないんですよ。

仕様凍結の手順を踏んでしまうと、設計書に書かれていないことは、後から『これは仕様追加です』と言われても、その内容でユーザ/ベンダー間で仕様の合意をしてしまっているのですから、ユーザには分が悪くなります。

設計段階でシッカリと打合せをし、仕様詰めをしたから大丈夫だろうと根拠のない安心をしていると、後でしっぺ返しを食らう事もあります。

また、数年後システム更改しようと思っても、システムがどの様になっているか分からなければ、何処をどう更改するのかも判断できなくなります。

要するに、設計書ってそのシステムのバイブルなんです。

システム開発をお願いしたベンダーに全てを任せるから大丈夫!

と言う声も聞こえてきそうですが、そのベンダーは『絶対』なくなる事はないでしょうか?

システム開発を担当し、そのシステムを熟知しているSEが『必ず』面倒を見てくれるのでしょうか?

ユーザ側も、システム開発プロジェクトに携わった人が、システムが稼動している期間『必ず』面倒を見れるのでしょうか?

社内にチェックできる人がいないユーザは、第三者の力を借りてでも設計書は整備するように心掛けるべきです。


システム検収

システム検収


プロジェクトも後半になると、ユーザ企業ではシステムの受入検収や運用テストやら、考えなくてはならない事が増えてきます。

実際に関与しているプロジェクトの一つが大詰めを向かえ、主だった議論が

◇業務移行について

◇システム検収について

◇運用テストについて

◇本稼動開始時期について

など、本稼動までにユーザ企業が行わなければならない事にスライドしてきました。

その中で、ユーザ企業としてわかり難いのが、システム検収(検収手順)についてのようです。

そもそもユーザ企業にとって 『システム検収』 とは何をすべきなのでしょうか。

簡単に言ってしまえば 『確かに要望した通りにシステムが出来上がっている』 事を確認し、承認する事です。

しかし、闇雲にシステムを動かしてみても、まんべんなくシステムの検収が行えるものではありません。

ですから まんべんなくシステムの検収を行うためにも 『何をどの様に確認するか』 という視点で 『検収手順』 を明確にすることはとても大切な事なのです。

ベンダーとしては、検収完了をもって売上に計上するなどの事情もありますから早めに検収を完了したいでしょうが、ユーザとしては安易に検収を完了してしまうと取り返しのつかない事になることがあります。

バグであれば契約上、瑕疵担保責任の条項が入っているでしょうから何とかなりそうですが、システムへの実装漏れがあっても検収を完了してしまっていては、漏れの取扱いついて揉め事になるのは必至です。

要求事項がシステムへ実装されていることを確認すると共に、正確にシステムが稼動する事を確認してから、検収完了とすべきなのです。

※但し、システム設計段階で漏れがない事を確認し、ユーザとベンダーでシステムの範囲とその実装機能について合意しているということが前提です。

それが 『システム検収』 というものです。

当たり前の事ですが、システム検収を行う前にベンダーによる各種テスト(単体テスト/結合テスト/総合テストなど)が実施され、システムが 『まともに動く』 状態になっていなければなりません。

そうでなければ、システム検収をやる意味がありません。(システム検収段階ではないという事です)

それでは、システム検収はどの様な手順で行うべきでしょうか。

闇雲にシステムを動かしても、システム全体をまんべんなく動かせるものでもありません。

システムは 『入力』 『処理』 『出力』 の3つの組み合わせで出来上がっているのです。

その組み合わせは、業務フローを意識して出来上がっているはずです。

と言う事は、業務の流れ(業務フロー)を意識して、システムを動かしてみる事が肝要ということになります。

そして、組み合わせの正確性を確認するために、

◇システム全体をまんべんなく動かすための 『データ』 を用意する

◇想定結果の通りに、システムが正しい結果を出すかどうかを確認する

事を意識した、業務の流れ(業務フロー)に順ずる検収シナリオを作る事が肝要ということになります。

納期延期

納期延期


納期に間に合わないシステム開発プロジェクト。結構多いんです。

納期遅延を引き起こす原因は様々ですが、最近、実際のコンサル現場で発生したプロジェクトを例にしてみると、

遅れの原因として、

◆プロジェクトの立ち上げ遅れ

ベンダー側のプロジェクトが発足したのは発注後1ヶ月。元々タイトなスケジュールがより一層タイトに・・・

◆プロジェクト要員の確保遅れ

ベンダーが必要数の要員を確保できず?

ただこれは、このシステム開発規模からすると何人のSEが必要かという私の経験からの感覚なので何とも言えませんが・・・

◆要求事項に対する理解度

一般的に考えると特殊な業務であり(但し、その会社では当たり前の業務ですよ)、なかなかユーザ側の意図する事が理解されず・・・

ベンダー選定にあたり当該業界での経験を重視したのですが・・・

◆ドキュメント纏めの遅れ

ベンダー側の要員が揃わず、担当SEが何役もこなさなくてはいけない状況。逆にこちらが心配する有様・・・

でも担当SEは焦りからどんどん先へ進めるが、その内容が設計に反映されない・・・

結局は、仕様が後戻りしてしまう事に。

◆対策の遅れ

経験上、諸々と対策を立てなければならない状況になり、イエローカードを出しました。

早速、ベンダーより体制強化などの対策案が出されましたが、結局は思うように体制強化が出来ず・・・


悩み多きユーザ企業

悩み多きユーザ企業


多くのユーザ企業が、システム開発で悩みを抱えているのではないでしょうか。

システム発注の前段階では、

(1)コンピュータの事はよく判らず、システム導入するために何をしたらよいのかわからない。

(2)システムの開発をどの会社に頼んだらよいのかわからない。

(3)契約書にはどのような条項をいれるべきなのか。

などなど。


システム開発段階、導入段階では、

(1)納期通りにシステムが出来上がらず、いつになったら導入されるのかわからない。

(2)当初の予算を大幅にオーバーしてしまい、いったいいくら掛かるのかわからない。

(3)出来上がったシステムを、どの様に受け入れ検収したらよいのかわからない。

などなど。

実際にシステム調達のコンサルをやらせていただく際、ユーザ企業はシステム発注までに何をすべきか、そしてどの様に段取りを立ててベンダーにシステムを発注すべきなのかを明確にします。

そして、システム開発段階、導入段階でのユーザ企業のすべきことも。

それでも、システム開発の様々な工程で問題は発生するものです。

私は、指導者面した表面的なコンサルをするのではなく、ユーザ企業のエージェントとして効率的なシステム調達のお手伝いをすることを目的とし、一緒に作業を進めていく方法をとっているので、ユーザ企業の内実にドンドン突っ込んでいきます。

そのため、一緒に悩みを抱えてしまうことも度々ありますが・・・

その原因がユーザ企業側にあるのか、ベンダー企業側にあるのかによって対処の仕方は変わります。

その都度、問題解決に向けた対策をたてて調整をするのですが、ベンダー側の原因による問題でかなり厄介なものもあります。


作業段取り

作業段取り


システム関連のコンサルをさせていただいているユーザ企業(A)の話です。

システム開発を担当するベンダーが、迷走状態と思える状況です。

ベンダー側の諸般の事情で、システム設計に関するユーザ合意(確認)を得られていない機能が存在するにもかかわらず、ベンダーの思い込みで勝手にプログラム製造を進めてしまい、そのシワ寄せが現れ始めているのです。

更に納期も近づき、本稼働に向けてやらなければならない作業も積み重なり、二進も三進も行かない状況を作り出してしまったのです。

今更ではありますが、作業段取りを立て直すべく、WBS(Work Breakdown Structure)などにより作業を洗い出し、現状を正確に把握するようアドバイス。

しかし、そもそも段取りを立てることに不慣れなようで、結局は業務に追われてしまい空回り状態。

そうなると、当然ながらスケジュールは遅れます。

ところが、この状況をベンダーの営業担当や技術部門の責任者は正確に把握しておりませんでした。

プロマネから正確な情報が伝えられていなかったのです。


逆に、スケジュール遅れの原因は

◇製造したプログラムの仕様変更が発生した

◇ユーザ側の検収が遅れている

などと捉えており、あたかもユーザ側に責任があるような言い様。


追加費用は、どちらが負担すべきか(その5)

追加費用は、どちらが負担すべきか(その5)


システム開発過程におけるシステム開発費の追加。

今回は 『納期遅延』 に係わる追加費用について取り上げてみたいと思います。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

システム開発がスケジュール通り進行せず、その結果、納期に間に合わなかった事に付随する費用はどうすべきでしょうか。

ベンダーが納期に間に合わなかったのだから、ベンダーが負担して当たり前であり、それよりも、納期遅延に対するペナルティを科すべきだ!

との声がユーザ企業から聞こえてきそうです。


ベンダーからは、ユーザ企業側は自分の落ち度は棚上げし、全ての責任を押し付けるのか?

と反論の声が聞こえてきそうです。


そもそも、納期遅延を引き起こした原因は何だったんでしょうか?

ユーザが要件を確定しない?

ベンダーの能力?

理由は様々でしょうが、それぞれの立場により主張が異なるのは当たり前です。

どの様な経緯で納期が遅延してしまったのか、事実を明確にしなければ、その責任の所在すら明確になりません。

その為には、納期遅延はシステム開発のリスクの1つと認識し、常に状況を把握できるプロジェクト運営が望まれます。


追加費用は、どちらが負担すべきか(その4)

追加費用は、どちらが負担すべきか(その4)


システム開発過程におけるシステム開発費の追加。

今回は、『システムテスト/検収時に発生する追加費用』 を取り上げてみたいと思います。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

システムテスト/検収工程

この段階で追加費用が出てくるというのは、明らかに 『要件漏れ』 『考慮漏れ』 『設計ミス』 が原因の大半を占めることでしょう。

基本的には、ユーザ企業またはベンダー企業のどちらの 『落ち度』 で発生したかによって、追加費用の負担先が決ることでしょう。

ただ、どの様な経緯でこの工程まで進んできたのか、その間にどの様な合意がなされたのかなど、設計書や議事録などに証拠を残しておかなければ 『落ち度』 を判定することは非常に難しいでしょう。

ただ、判定する材料がないとベンダー企業が圧倒的に不利になるでしょうが、ユーザ企業もその事を逆手に取らず、真摯に協議する姿勢が望まれます。

◇◇

まずは、起こさないようにするにはどうしたら良いかを考えたほうが建設的ですね。


ちょっと一息。 と思いきや・・・

ちょっと一息。 と思いきや・・・


先週、システム調達の支援をしているユーザ企業(A社)での提案依頼書(RFP)作成も終わり、無事にベンダー数社に対して提案依頼を行いました。

ここに至るまで、責任者である常務と新システム企画および導入推進役である事業部長は、通常の業務をこなすなかで社内調整に奔走。

傍ら私は、提案依頼書(RFP)を作成。

二人三脚ならず、三人四脚で喧々諤々とプロジェクトを推進してきたため、提案依頼説明会終了後、やっとここまで漕ぎ着けたとの安堵感。

ベンダー各社から提案書が出てくるまでの間、A社のプロジェクトはちょっと一息。

と思いきや、


追加費用は、どちらが負担すべきか(その3)

追加費用は、どちらが負担すべきか(その3)


システム開発過程におけるシステム開発費の追加。

今回は、『システム設計の考慮漏れ』 を発生要因として取り上げてみたいと思います。

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要件定義も終わり、システム設計工程へ。

ここで、『要件確定』 と 『仕様確定』 とは違うと言う事を認識しておいたほうが良いでしょう。

『何をしたいのか』 と 『どの様に実現するのか』 と言葉を置き換えれば一目瞭然です。

また、システム設計も、基本設計(外部設計) と詳細設計(内部設計) がありますが、この違いも認識しておいたほうが良いでしょう。

基本設計(外部設計)は、要件定義をもとに、システム全体をどの様に組み立てるのかを明確にするもの。

詳細設計(内部設計)は、基本設計(外部設計)をもとに、システムを組み立てる部品をどの様に作るのかを明確にするもの。

とは言っても、開発方法論 (ウォーターフォールやプロトタイピングなど) によって違いがあるので一括りにはできませんが、どんな開発方法論であっても、全体のコンセプトを明確にせずに部分(部品)を作ると、後戻りが増えるという事は明白でしょう。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

システム設計を進めると、大体システム規模が膨れ上がるものです。


追加費用は、どちらが負担すべきか(その2)

追加費用は、どちらが負担すべきか(その2)


システム開発過程におけるシステム開発費の追加。

今回は、『業務要件漏れ』 を発生要因として取り上げてみたいと思います。

業務要件漏れは、主に、要件定義工程でおきやすいと思います。

どういう形式(例えば、提案依頼書(RFP))であれ、ユーザ企業はシステム化の要件をベンダーに伝えてあるはずです。

ベンダーは、そのシステム化要件を元に見積りを提示していることでしょう。

ただ、その見積書が 『正式見積り』 なのか 『概算見積り』 なのかにより、システム開発費に与えるインパクトは変わってくるはずです。

何故なら、システム開発費が確定してスタートしたのか、それとも確定していないでスタートしたのか、と言葉を変えれば一目瞭然です。

システム規模が大きくなればなるほど不確定要素が多くなり、ベンダーもリスクを回避するために 『概算見積り』 として提示せざるを得ません。

そして、要件定義を終えた後に正式見積りを出すので、当初概算見積りより大幅に費用が膨れる事がありえます。

『正式』 『概算』 どちらの見積りであっても、要はユーザ企業が提示するシステム化要件と、要件定義工程との結果に差が出なければ、この段階でシステム開発費が追加される事はないでしょう。

結局は、ユーザ企業が発注前にどれだけシッカリと検討を重ね、ベンダーに十分な情報を提供したかに依るのです。


追加費用は、どちらが負担すべきか(その1)

追加費用は、どちらが負担すべきか(その1)


システム開発過程におけるシステム開発費の追加。

当初の契約額を超過する要因が発生してしまい、ベンダーがユーザへ追加請求する事を指していますが、この追加費用は全てユーザが負担するものなのでしょうか?

追加費用はどの様な場合に発生し、発生した費用はユーザとベンダーのどちらが負担すべきかを、要因ごとに考察してみたいと思います。

今回は、第1回目として、『ユーザ側の検討不足』 を取り上げてみたいと思います。

これは、ユーザ側が何の為に、どの様なシステムが必要なのかなど、システム化を十分に検討せず、要件があやふやな状況でベンダーにシステムを発注してしまうケースです。

ユーザ側としては、システム開発のことは良く分からないのでベンダーに全てを任せてしまえば安心、との裏付けのない根拠?に基づいて、システム開発の全てをベンダーに丸投げしてしまえば楽ですから。

でも、ちょっと待ってください。


技術者面談

技術者面談


システム開発会社の知人より、技術者がいたら紹介して欲しいとの相談が頻繁に舞い込んできます。

最近は、システム開発の案件も増えているようで、どこのシステム開発会社も人手不足状態。

新規の開発案件を積極的に獲得したいとの想いとは裏腹に、技術者がいないので積極的に案件を取りにいけずジレンマに陥っている会社が結構多いようです。

また、新規の案件を獲得したのは良いけれど、社内には対応する技術者がいないため、人手不足で困っている会社も結構多いようです。


そうなると、まずは協力関係にある同業者へ打診し、技術者を調達しようとします。

協力会社でも人手がないと、同様に同業者へ打診し、技術者を調達しようとします。

こうして 『案件情報』 なるものが飛び交う様になります。

そうすると面白い事に、同じ案件で条件(SEなりPGの単価)が違う 『案件情報』 が手元に届くことがしばしばあるのです。

単純に考えれば 『経由した会社数』 によって条件が違うと言う事であり、経由した会社がそれぞれにピン撥ねをするという事です。

ユーザ企業と直接接点を持つより、大手ベンダーとの接点に営業フォーカスを当てている会社の方が圧倒的多数である実情を考えると、仕方のない 『仕組み』 なのでしょうか。

でも、この 『仕組み』 でピン撥ねされるお金は、ユーザ企業が負担しているんですよね。

IQOS

ブログの趣旨と全然違う投稿ですが・・・

何気に立ち寄ったタバコ屋さん。

何故か人が多く、何事かと思えば、購入が困難と聞いていたIQOSが大量に入荷したとの事。

予約した人で溢れていたんですね。

予約してなくても購入できるとのことなので、衝動的に購入してしまいました。

ちょっとラッキーな日でした。

こちらもご覧ください

最終検収

最終検収


システム関連のコンサルをさせていただいているユーザ企業の話です。

現在、受け入れ検収段階にあり、業務シナリオに沿った最終運用テストを実施しております。

当初はバグが結構ありましたが、ベンダーの誠意ある対応で、やっとここまで漕ぎ着けたとの想いです。

ただ、業務を想定しながら運用テストを行っていくと、ユーザ側では 

『あ! ここはこうしたい』 

などと、この段にきたからこその要望事項が結構でてきます

このユーザ企業においても、最終検収を行っている段階で、幾つかの要望が挙がってきました。


ベンダーとの痺れる交渉

ベンダーとの痺れる交渉

とある会社の、基幹系システム全面リプレイス・プロジェクトにおいて、プランニング段階より関与しております。

諸々の事情により当初のスケジュールよりも遅れてしまいましたが、何とか総合テストに突入。

しかし、必要機能の不備が発覚・・・・・

対応について、即座にベンダーと協議に入りましたが。。。


ベンダーの言い分

ベンダーの言い分


先日、10年来付き合いのあるベンダー企業の営業部長を訪問した時の話しです。

打合せ中、携帯電話に頻繁に連絡が入り、その都度打合せは中断。

普段は打ち合わせを中断する事がない方なのですが、相当切羽詰った急用と察し、やっと落ち着いたところで尋ねてみました。

すると、
最近システム開発でのトラブルが頻発し、顧客からのクレーム処理に追われてしまっている 
と嘆いていました。

その営業部長が言うには、
トラブルの大半が開発段階における設計段階への後戻り

で、それが原因で
納期へかなり影響が出るほどのスケジュール遅れ
となってしまっているとの事。

早いもので12期目

早いもので12期目

2006年5月に会社を立ち上げ、あっという間に12期目に突入しました。

ご支援いただける方やお客様に恵まれとこともあり、何とかここまでやってこれ、

感謝の想いでいっぱいです!


私がこの会社を立ち上げた理由、それは・・・・・


困った出来事

困った出来事


知り合いの社長からの一報。

要点を簡単にまとめると、

業務システム用のサーバがクラッシュしてしまったので、新しくサーバを購入。
 ☟
 ☟
本来であれば、システムを構築してもらった会社に連絡し復旧を依頼するとこだが、
保守契約を結んでいなかったので、ベンダーから納品されていたインストールCDを
使い、自社で新サーバへシステムをインストール。
 ☟
 ☟
無事インストールが終了。

さあ!復旧と思い、
クライアントPCを立ち上げたところ、まったく駄目。

これ以上、自力で復旧する事は困難と判断し、システムを構築したベンダーに連絡。

ここまでは、そんなに驚く事ではなかったのですが・・・

プロジェクトマネージャって・・・

プロジェクトマネージャって・・・


システム開発プロジェクトがスタートする時、ベンダーからプロジェクト体制が明示されますね。

ベンダーによって違いはあるでしょうが、概ねプロジェクトマネージャを筆頭に、プロジェクトリーダ、サブリーダ、メンバーと階層化されて、それぞれの役割りが示されてます。

でも実際にプロジェクトがスタートすると、

何でこの人がプロジェクトマネージャーなの?

単に、年次が上がったからプロジェクトマネージャとして配置されたの?

と疑問に思うことがあります。


これが業務委託契約書?

これが業務委託契約書?


つい先日、ある方から受けた相談です。

ホームページを立ち上げるため、ある会社にホームページ制作をお願いしようとしたそうです。

早速、その会社より見積書と契約書が送られてきたのですが、記載されている条項や文言が良く分からない。

システムの業務委託に詳しくない方は、良く分からないけど 『プロ』 の言う事だからと、直ぐに契約してしまうところでしょう。

しかし、何かピンと来ることがあったのか、見積書と契約書を精査して欲しいとの依頼でした。

得手分野を持ったベンダー

得手分野を持ったベンダー


あるお客様の話です。
そのお客様は、基幹系システムの全面更改を検討しておりました。

私は、その検討段階からプロジェクトに参画したのですが、提案依頼書(RFP)を取りまとめ終わった段階で、どのベンダーに声を掛けるかを協議。
諸般の事情により、それほど期間を掛けられない

当然ながら、青天井で予算を組むこともできない

そこで当該業種向けの実績があり且つ当該業種向けのパッケージシステムを持っているベンダーに絞って提案をお願いいたしました。

ベンダー確定までの経緯は省略しますが、コスト/期間/品質面でお客様の要望を満たしそうなベンダーを選定し、いざプロジェクトがスタート。

ユーザ企業の戸惑い

ユーザ企業の戸惑い

これまでに数社のシステム調達の支援を行ってまいりましたが、各ベンダーより示される見積り費用の 『差』 について、皆さん驚かれるようです。

提示した提案依頼書(RFP)に基づき、各ベンダーより提案書が提示されるのですが、そこに記載されている見積額を比較したとき、

何故こんなにも金額差があるの ???? 

その差に驚きを隠せないようです。

ましてや、安い見積りを出してきたベンダーであっても、提案依頼書(RFP)で提示した要件は全て満たしているとなると、もう理解不能のようです。

でも、これがシステム開発の実態ではないでしょうか。


テスト不足が招く不幸

テスト不足が招く不幸

いくつかのプロジェクトで共通的に起こっている現象があります。
端的に言ってしまえば、ベンダーによるテスト/検証不足によるシステム障害。

テストと言っても色々なレベルがありますが、

まずは単体テスト

作成したプログラムが所定の機能を満たしているか、または、誤動作をしないかなど、作成したプログラム単位で行うテストです。

システム開発 失敗しないために

システム開発 失敗しないために

(1)社内にプロジェクト体制を組む
(2)何をやりたいのかを明確にする
(3)適切なベンダーを選定する
(4)システム化の意向をベンダーへハッキリと伝える
(5)ベンダーと協力しながらシステム化を進める
ユーザ企業がやるべきことを簡単に言ってしまえば以上です。

プロジェクトメンバーは、コンピュータに詳しくなくても良いのです。
まずは、意思決定権限を有する責任者です。
社長が最適。無理ならば、役員以上の方が適任です。

何故なら、本来システム化には基本的に業務改善が伴うからです。
意思決定できる方のいないプロジェクトは、本来のシステム化の目的を達成できない傾向にあります。


システム開発 失敗が多いのは何故(4)

システム開発 失敗が多いのは何故(4)

ユーザ企業側の問題として触れた点を、掘り下げて考えてみたいと思います。

『システム化の知識に乏しく、ベンダーへ丸投げしてしまう (依存型)』
『システムを導入すれば、漠然と経営強化や効率化が図れると思っている (幻想型)』
『経営面から、システム化の目的や目標が十分に検討されていない (無目的型)』


上記のような問題を整理すると『システム開発の本質とその進め方の問題』と言えるのではないでしょうか。

システム開発とは単にコンピュータシステムの開発に留まらず、事業活動の目的を達成するために、如何に有効且つ効果的にコンピュータを利活用するかが本質と考えております。即ち、『コンピュータ化する部分』と『コンピュータ化しない部分』を見極めると共に、全体を上手く融合し、如何に経営/業務に寄与する『仕組み』を作り上げるかが大切なのではないでしょうか。


システム開発 失敗が多いのは何故(3)

システム開発 失敗が多いのは何故(3)

ベンダー側の問題として触れた点を、掘り下げて考えてみたいと思います。

『ユーザ企業の経営や業務に関する知識が不足している』

『ユーザ企業との要件調整が不足している』

『システム化をすることが目的となってしまう』

『ユーザ企業のシステム化の目的や目標が理解されていない』


まずは、ベンダーの業務知識不足ということがあります。

システム開発 失敗が多いのは何故(2)

システム開発 失敗が多いのは何故(2)


システム開発の失敗は、『ユーザ企業側』と『ベンダー側』の双方に問題があるとしましたが、そもそも『システム』とは何なのでしょうか?

私は『システム』とは、

(1)広義の意味として、事業活動全般の構造(経営資源の活用方法)であり、即ち
   経営そのものを指すと定義。

(2)狭義の意味として、ずばり『コンピュータシステム』を指すと定義。

しております。

この定義を前提に、システム開発とは単にコンピュータシステムの開発に留まらず、事業活動の目的を達成するために、如何に有効且つ効果的にコンピュータを利活用するかが本質と考えております。

即ち、『コンピュータ化する部分』と『コンピュータ化しない部分』を見極めると共に、全体を上手く融合し、如何に経営/業務に寄与する『仕組み』を作り上げるかが大切なのではないでしょうか。


システム開発 失敗が多いのは何故(1)

システム開発 失敗が多いのは何故(1)


システム導入に関する『失敗』について考えてみたいと思います。
ここで言う『失敗』とは、

●予算(予め決めた金額で)

●納期(予め決めた期限に)

●品質(予め決めた業務範囲を網羅し、安定的に運用できる)

の評価3点セットを守れなかった事を意味しています。

いくら品質の素晴らしいシステムが導入できたとしても、予算が倍に膨れてしまったり、納期が半年も遅れてしまったりでは、明らかに失敗に分類されると思います。


PMの苦悩

PMの苦悩


プロジェクトにおいて、PMに悩みは尽きないものです。
その悩みも多種多様でしょうが、あるプロジェクトにおけるPMの悩み話です。
簡潔に言ってしまえば、プロジェクト・メンバーを信頼出来なくなってしまったということです。
ここに至るまでに様々な経緯があるのですが、その主だった理由として、
◇期限を守れない(意識していない?)
◇遅れても言い訳ばかり(自分の非を正当化?)
◇勝手なことをする(本来の目的・役割が解っていない?)
◇適時報告がされない
などなど、メンバーの責任感の欠如を挙げております。

メンバーの言い分としては、
◇無理な計画を押しつける
◇指示があいまい
などなど、PMとしての力量に対する不満を挙げております。


システム設計書

システム設計書 システム開発における設計書。 名前の付け方、内容の記述の仕方、実はこれ、ベンダーによってまちまちなんです。 名前の付け方に関して言えば、外部設計書/内部設計書というベンダーもあれば、基本設計書/詳細設計書というベンダーもあります。 場合によっては...