システム開発 失敗が多いのは何故(4)
ユーザ企業側の問題として触れた点を、掘り下げて考えてみたいと思います。『システム化の知識に乏しく、ベンダーへ丸投げしてしまう (依存型)』
『システムを導入すれば、漠然と経営強化や効率化が図れると思っている (幻想型)』
『経営面から、システム化の目的や目標が十分に検討されていない (無目的型)』
上記のような問題を整理すると『システム開発の本質とその進め方の問題』と言えるのではないでしょうか。
システム開発とは単にコンピュータシステムの開発に留まらず、事業活動の目的を達成するために、如何に有効且つ効果的にコンピュータを利活用するかが本質と考えております。即ち、『コンピュータ化する部分』と『コンピュータ化しない部分』を見極めると共に、全体を上手く融合し、如何に経営/業務に寄与する『仕組み』を作り上げるかが大切なのではないでしょうか。
『コンピュータシステム』は、事業活動の目的を達成するための道具なのです。
目的があるからこそ、その為に必要な道具があるのではないでしょうか。
市販の道具であれ、自分専用にあつらえた道具であれ、どんなに素晴らしい品質の道具であっても目的を達成できない道具は無用なものではないでしょうか。
ましてや、どんな道具が必要かを考えず、ベンダーに丸投げするなんて、ハッキリいってナンセンスなのです。
システム発注の前段階で、
(1)コンピュータの事はよく判らず、システムを導入するのに何をしたら良いのかわからない。
(2)システムの導入をどの会社に頼んだらよいのかわからない。
システム開発段階、導入段階で、
(1)納期通りにシステムが出来上がらず、いつになったら導入されるのかわからない。(2)当初の予算を大幅にオーバーしてしまい、いったいいくら掛かるかわからない。
など、システムに対する(場合によってはベンダーに対する)不安、不満、不信の相談を受けます。(それが私の仕事ですから・・・)
ユーザ企業の方、思い当たる節が結構ありませんか。
システム開発における様々な問題は、ユーザ企業の『体制不備』『検討不足・調整不足』に起因することが多いのです。
ただ、『上手くやってくれるベンダー』に当たれば儲けものです。上手くやってくれますから、問題が表面化しないで済んでしまうでしょう。
しかし、大半のベンダーは『お客様から言われたこと』をシステム化しようとしますから、目的ややりたい事が曖昧なままでシステム化を進めれば、曖昧なシステムが出来てあがってしまうのは当たり前ではないでしょうか。
ベンダーに責任転嫁しても解決の糸口は見つからないと思います。
ユーザ企業がやるべきことをシッカリと認識しましょう。
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